月観て走る

雄叫びメモ帳

インド映画「ロボット〈完全版〉」感想のようなもの 

※ネタばれはあんまりしていませんが気になる方は先にご鑑賞ください。何か色々カットされてる短縮版より完全版(2時間57分あるほう)が断然おすすめです!

 

文化不毛の3階建てですら珍しいど田舎で生まれ育ったせいか、デカいものには無意識に惹かれてしまいます 。

コンクリ製で空に向かってそびえる建物を見るとデザインとか作り手のセンスとか周囲の景観との調和とか実用面での善し悪しとかはさておいて、この世界にデカイものを作ろうと思った熱情と物量に胸を打たれ無条件に「わあかっこいい」と思ってしまう自分がいるのです。

 

「いくらかけてこんな狂った絵を…」
と見ている最中百回くらい思った気がする。しかしデカい。全てのスケールが考えたことの無い方向にデカい。デカいはかっこいいのだ。インド映画「ロボット」(監督:シャンカール)を見ました。

 

「ワケわからんが面白い」
パッケージに書かれた若干安めのキャッチコピーでイメージする展開からホップステップ大気圏で彼方にジャンプしていくし全てが豪快で笑えてかつラストに向けてのエンジンのベタ踏みっぷりが本当に無茶で全編に渡ってこんなのはじめて…ってなる映画はお好きでしょうか。私は好きです。

とにかく感情を四方八方に振り回される。笑った次の瞬間に人が死ぬ。真剣に見てるのにギャグを叩きこまれる。異常なテンポですごいジャンルがごった煮されている。常人がちまちま匙で掬っているところにショベルカー持ってこられたようなとてつもなさ。なのに見終わったあとに胸にふつふつたぎる感情はまさに静かな感動で、感動なのかこれ?? 何だこれ!! と空に向かって逆切れするしかない。


「小学生が考えたようなシナリオ」
という言葉があります。小学生と言うのは良くも悪くもストレートで、面白いよね! やりたい! かっこいい!! という気持ちを推進力に突進してゆく。ものづくりの最初は大抵そうです。でも私たちは現実に揉まれてそのものづくりの一番ピュアな楽しさをどんどん忘れていってしまった。「その案実現可能かな?」「ネタかぶりしてない?」「それ予算いくらかけるつもり?」「作り手のマスターベーションじゃない?」
いいんだよ!!!!!!
アンデスロケを敢行してリャマの前でキリマンジャロってヒーローとヒロインに歌わせたら面白いよね」って思いついて真剣に6分くらい歌い踊ってもいいんだよ!! 刀を持って襲ってくる漁民のおじさんからの逃走劇のあとに歌い踊ってもいいんだよ!! おじさんロボットが百人くらいで隊列組んでMV風に歌い踊ってもいいし何ならヒロインも増殖していいし、おじさんロボットが量産されて球体になって異常にかっこよく転げ暴れまわってもいいんだよ!! それでもひとは感動できるんだよ!!!!


という訳でもうすぐ公開されるロボット2.0が楽しみです。待ちきれない。